とめもハゲたってよ⑦

アパートでの生活は、一旦部屋に入ってしまえば外部の人との接触が殆どなく、ハゲてた私にとってはラクでした。
たまに外に出ると隣のヤンキーババアとうっかり顔を合わせる事もありましたが、軽く挨拶してそそくさと部屋に入っていました。
そんな時には決まって前の家のお隣さん達を思い出していました。
綺麗で優しくて、程よい距離感を保ってくれてたお隣さん達。
私が出て行くと言ったら泣いてくれた隣のママ。
でも、その頃の私は、側から見たらヤンキーババアと変わらなかったかもしれません。
いつも被っていたニット帽からは赤茶けたひょろひょろの髪が伸びていました。
でもその髪をすっぽり中に入れてしまうと病人に見えてしまう…

もう殆んど髪は残っていませんでした。→続く

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